TOP > ビジネスサポート(選ばれる理由) > 半歩先のベーカリー市場を創るには? 割田 健一氏

パンの味の醍醐味は風味

── 消費者の立場から、パンへの要望をお聞かせください。

ひの ハード系の食事パンはシンプルなだけにフィリングや具材をいろいろ使ってアピールしようというものがありますが、料理とともに食べるパンは小麦風味豊かなパン本来の味を楽しみたいですね。割田シェフは、パンの酸味についていろいろ研究されていますね。

割田 10年以上前パリに行ったとき、ある店のカンパーニュがすごくおいしかったので、少し前パリに行くというひのさんに買ってきてもらったら、当時とは大きく違い酸味がしっかりとしていたのに驚きました。それをきっかけに、サワー種をはじめ酸味についていろいろこだわりをもって使うようになったのです。

ひの 日本人は酸味を効かせすぎるパンはどうしても敬遠しがちですが、強い味付けの肉料理、チーズなど、合わせ方次第で新たなおいしさとして受け入れられるような提案ができると思います。料理とパンというシチュエーションができる割田シェフのようなお店でやっていただけたら、大きく広がるのではないでしょうか。

ピュラトスジャパン中井崇氏
ピュラトスジャパンの中井崇氏

中井 風味とは味覚と臭覚が統合して感じるものです。おいしさを認識するのは、舌で感じる味覚が20%、鼻で感じる味覚が80%といわれています。だから香りが引き立てば、人は脳によって“おいしい”と感じるのです。当社では世界各地から厳選されたサワー種をラインナップした『サポーレ』という製品があります。これを使うことで“ 味覚”にしっかり届く香り豊かなパンに仕上がり、いろいろ混ぜ方を変えることで、自分だけのオリジナリティも出せます。パンにとって“ 香り”を提供するのは重要な部分だと思います。

サポーレ
ピュラトスのサワー種製品「サポーレ」は、世界各地より探索・厳選された乳酸菌・酵母の菌株を使用して作られていますピュラトスが長年にわたって蓄積してきたノウハウをもとに、必要な時に必要な分だけ、すぐにご使用いただけるサワー種を豊富なラインナップでご提供しています。

── サワー種は日本の人には使い慣れていないという部分がありますね。

中井 ただ2010年から14年の市場規模推移の中、サワー種の販売数量の年平均成長率をみると1.4%増となっており、生地改良剤の0.2%を大きく上回っています。同時期のパン消費支出も0.7%と微増となっており、パンの本来の風味の豊かさが認められつつあると感じています。

── 割田シェフのパンをお土産にしたいという要望も多いとか。風味や食感を保たせるのは難しいのでは。

割田 パンは今ギフトに最適なアイテムであると私は思っています。ブーランジェリーレカンでは遠方からのお客様よりお取り寄せ需要があります。そのほか、卸先様のレストランでの商品として納めるケースもあります。私の場合、そうしたときに使うのが『S500プラス』です。これを使うことで保存性が非常に良くなるので、安心して商品化できます。

『S500プラス』

あらゆるパンに適した、世界で最も多く使われている、コンプリート・ブレッド・インプルーバー

S500プラスの製品ページへ »


中井 これは保存料という概念とは別に、ふっくら、やわらかといったパンのフレッシュさをキープできる補助剤的な役割をします。新鮮さが売りになるパンには最適といえるもので、生産性を上げたり、短期間の冷蔵・冷凍生地にも対応するなど、いろいろな使い方が幅広くできる製品です。

ひの 離れている地域の方にオンリーワンのパンが届いたら嬉しいですよね。

── 新しいオンリーワンに出会いに、また買いに行く楽しさがありますね。

割田 「これは何だろう?」と興味を持っていただけるような「楽しさ」や「驚き」を「今あるおいしさ」に加えるようにしています。フランスパンの伝統や技術を守りながら遊び心を忘れずに、お客様の期待を裏切らない「新しいおいしさ」を日々追求していきたいですね。

割田シェフとひの氏

(日本パン菓子新聞平成27年10月15日号掲載より)

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